4836–170724 ScrapboxなどのITをゼミで利用すると対面対話が促進される

塩澤一洋, Kazuhiro Shiozawa
shiology
Published in
3 min readJul 26, 2017

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SIGMA sd Quattro H + 24mm F1.4 DG HSM

ITを使うと相手と会わなくても仕事ができる。確かにその通り。ITは異時通信を可能にするから、異なる時間、異なる空間にいる人と対話ができるのが大きなメリットです。

電話だと、かかってきたら要件を聞くには(留守電に要件の内容まで残してくれない限り)受話する必要があるし、その時点で対話する必要がある。

でもメッセージやLINE、メイルなど、好きな時に読んで、そのあといつ返信したってOK。時間と空間を超えて対話できます。

サイボウズLiveやScrapboxといったクラウドサービスも同じ。発言しておけば、仲間の誰かが読んで、コメントしてくれる。対話が時空を超越します。非対面、非同期の通信です。SNSももちろんそのひとつ。

SIGMA sd Quattro H + 24mm F1.4 DG HSM

だから、学校で、教育で、授業で、ゼミで、「ITを使います」と話すと、授業を非対面化、非同期化するという印象を与えがち。確かにそのような使い方もあります。いわゆる「反転授業」はその一種。

でもITを教育に用いる効用はその向こう側あります。非対面、非同期の対話を重ねると、次第に相手に会いたくなるのです。会って話したい、会って議論したい。その思いが募ります。だから学生たちが実際に会って、対面で議論する時間が増え、議論の密度が上がる。そこにIT利用の真の効用があります。

対面で議論するときも、個々人の目の前にはMacでScrapboxが開かれ、一人が書き込んだ内容は同時に他のメンバーの画面にも現れる。文字会話と音声会話が同時並行で進む。議論の成果がリアルタイムに論述に反映されるから、その場で記述内容を判断し、納得して次に進める。

広大なホワイトボードにみんなで書き込みながら議論を進めるのと同じ。みんなのアイディアがひとつのホワイトボードに集約され、議論を喚起するのと同じ効用を、時空を超えて実現するのが教育におけるITです。

なかでもScrapboxはshioの知る限りベスト。学生たちの知力が引き出されます。

SIGMA sd Quattro H + 24mm F1.4 DG HSM

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Professor on copyright law & civil code at Seikei University, Photographer / 成蹊大学法学部教授(民法・著作権法)・政策研究大学院客員教授・慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師・多摩美術大学非常勤講師・写真家。